映画に感謝を捧ぐ! 「捨小舟」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はバスター・キートン&エディ・クライン監督の
「捨小舟」に感謝を捧げようと思います。
失恋の傷を癒すため
船旅に出た男の運命を描いた本作は
アクション&サスペンス的状況をコメディ化したサイレント喜劇であります。
「海上の船」という閉鎖空間で繰り広げられる
共謀且つユーモラスな人間模様を
コント的&活劇的ブラック・ユーモアの限りを尽くして描くという試みは
私に、サバイバル劇と笑劇が紙一重の存在である事と
陰険な人間関係をユーモラスの描く技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(後年の「スティング」などに通じる
「肩すかし系ハッピー・エンド」も見逃せません。)
まさに「冒険系ドタバタ喜劇」の雄と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。
サイレント喜劇の伝統芸・陰謀劇のスリル&サスペンス
苦味の利いたユーモアが一堂に会した本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。