映画に感謝を捧ぐ! 「ポルト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はゲイブ・クリンガー監督の「ポルト」に  感謝を捧げようと思います。  ポルトガルの都市「ポルト」の一角で出会った  男女2人の運命を描いた本作は  クールでありながらも技巧的な恋愛映画であります。  主人公2人による「視点の交換」、時系列移動  台詞のBGM的利用を多用しつつ  軽快且つ穏やかに進行するストーリー&演出は  私に「文学志向と効率主義」の奇妙な共同戦線と  サスペンス技法の恋愛映画的活用法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (奇襲的に訪れるハッピー・エンドと謎めいたエンド・ロールが  「人生&愛」が人知を越えた存在であることを  写し出している点も見逃せません。)  まさに「軽量級技巧派恋愛映画」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  観光旅行、ポルノ要素、青春映画、愛憎劇の特性を融合させながら  状況設明&娯楽的盛り上げを極限まで抑制する  大胆不敵さに驚かされる本作と  生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。