映画に感謝を捧ぐ! 「飾窓の女」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフリッツ・ラング監督の「飾窓の女」に

 感謝を捧げようと思います。

飾窓の女 [DVD] - エドワード・G・ロビンソン, フリッツ・ラング, エドワード・G・ロビンソン, ジョーン・ベネット, ナナリー・ジョンソン
飾窓の女 [DVD] - エドワード・G・ロビンソン, フリッツ・ラング, エドワード・G・ロビンソン, ジョーン・ベネット, ナナリー・ジョンソン

 J・h・ウォーリスの小説「Once Off Guard」を

 もとにして作られた本作は

 

 渋味と技巧の利いたスリル&サスペンスに

 彩られたサスペンス映画であります。

 堅実な日々を歩んできた男が

 「美」に魅了されたことによって自制心を弱められ

 犯罪の底なし沼へと落ちていく姿を

 「小説の挿絵」風味と心理劇要素の

 均整を保ちながら写し出していく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に小説技法と映画技法による共同戦線と

 犯罪の連鎖性&日常に潜む魔性を

 映画的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (冷酷且つ皮肉なサスペンスを

 コメディへと転じる「どんでん返し」を通じて

 

 残酷さと滑稽さの秘めたる近似性 

 安全を求めつつ「スリル&サスペンス」を欲する人間心理

 創作物と創作者の人生を結ぶ絆

 物語と現実の境界線を見極め、分別することの重要性を

 世に示した幕切れとなっている点も見逃せません。) 

 

 まさに「犯罪映画型人生&芸術論」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 F・ラング監督のサスペンス的映像技

 E・G・ロビンソン&J・ベネットの上品な魔性

 論理性確保&情報管理と効率主義&奇策的驚かせを

 バランス良く配合する作劇法によって

 後年のサスペンス映画を導く存在となった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。