映画に感謝を捧ぐ! 「我は海の子」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヴィクター・フレミング監督の
「我は海の子」に感謝を捧げようと思います。
我は海の子 特別版 [DVD] - フランツ・ワックスマン, スペンサー・トレイシー, フレディ・バーソロミュー, ライオネル・バリモア, メルヴィン・ダグラス, ミッキー・ルーニー, ヴィクター・フレミング, ルイス・D.ライトン, ジョン・リー・メイヒン, ルドヤード・キプリング, ハロルド・ロッソン, マーク・コネリー, デイル・ヴァン・エヴェリー
ルドヤード・キプリングの同名小説をもとにして作られた本作は
大衆娯楽性と文学性が交錯する海洋冒険映画であります。
ホームドラマ風味とアクション風味を
バランス良く配合したストーリーと
映画的魅力と「小説の挿絵」的魅力を
兼ね備えた映像+俳優陣が
互いの持ち味を生かし合い
効率性と見せ場主義の均整を保ちながら
進行する光景は
私に「小説と映画の長所を有効活用する」
作劇法&映像技と
娯楽性と教訓劇性を両立させる妙技の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの形態を取りながら
状況設明的台詞を極限まで抑制しつつ
「海の男+その家族」の思いを写し出すことによって
鑑賞者の想像力を刺激すると同時に
純文学的渋味を感じさせる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「人情派海洋冒険活劇」の雄と
呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
空間限定型映画+活劇的スリル&サスペンスと
日常劇的人間模様を両立させるスタッフ陣と
紳士性と荒くれ性の均整を保ち続ける
主演男優S・トレーシーの熱演によって
後年の海洋冒険映画に対する
「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。