映画に感謝を捧ぐ! 「ジョーズ4/復讐編」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・サージェント監督の
「ジョーズ4/復讐編」に感謝を捧げようと思います。
ジョーズ 4/復讐編 [DVD] - ロレイン・ゲイリー, マイケル・ケイン, マリオ・ヴァン・ピーブルズ, ジョセフ・サージェント
ピーター・ベンチリーの小説「ジョーズ」をもとにして作られた
人気シリーズの4作目となる本作は
様々な執念が交錯する
「ジョーズ」シリーズ史上屈指の珍作であります。
長年の宿敵を追い続けるサメの執念
身内の仇を討ち取り
呪われた縁を断ち切ろうとするブロディ一家の執念
1作目の主演女優R・ゲイリーを帰還させ
前3作の状況設定を力業で継承する事によって
「ジョーズ」神話を継続しようとする映画業界人の執念が
絡み合ったストーリー&演出、キャラクター造形は
私にモンスター映画の形態を取りながら
人間模様を重視する作劇法&細切れ的映像技によって
「モンスターの存在力&強敵感」が失われていく恐怖と
シリーズ化された映画に宿る「呪い」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ジョーズ」シリーズ史上最大級の
省力感に彩られた「決着の付け方」に驚かされる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに壮絶なる穏健さ&緩やかさと
静かなる妄執に取り憑かれた
「ジョーズ第4章」であると言えるでしょう。
神秘性&恐怖をかき立てる映像技&音楽技と
1970年代的反抗文化と西部劇的男気が交錯する
ストーリー展開によってサメ映画の英雄となった「ジョーズ」が
人間とサメとの闘いという基本原則を保ちながら
犠牲者を最大限に留めようとする穏健さ
過去作の要所となる部分を加工し、再利用するリサイクル精神
作品の要である「サメ」の実像をさらけ出し
軽量級アトラクション風味を生成する大胆さによって
和やかな形で「一つの終幕」を迎える姿が印象深い本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。