映画に感謝を捧ぐ! 「脅迫者/ラケット」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・クロムウェル監督の「脅迫者/ラケット」に
感謝を捧げようと思います。
サスペンス映画 コレクション 疑惑の世界 情無用の街 DVD10枚組 ACC-201 - マーク・スティーヴンス, リチャード・ウィドマーク, ロバート・ミッチャム, ロバート・ライアン, リザベス・スコット, リカルド・モンタルバン, サリー・フォレスト, リチャード・ベースハート, オードリー・トッター, ジーン・ティアニー, リチャード・コンテ, バーバラ・スタンウィック, ラルフ・ミーカー, ディック・パウエル, ウォルター・スレザック, マーシャル・トンプソン, ヴァージニア・フィールド, ローレンス・ティアニー, エドマンド・ロウ, オーソン・ウェルズ, ジョセフ・コットン, ウィリアム・キーリー, ジョン・クロムウェル, ジョン・スタージェス, ジョン・ベリー, オットー・プレミンジャー, エドワード・ドミトリク, ジェラルド・メイヤー, マックス・ノセック, ノーマン・フォスター
バートレット・コーマックの同名舞台劇をもとにして
1951年に作られた本作は
1928年に同名舞台劇のサイレント映画版をして生を受け
刑事映画史を彩る過激作となった「暴力団」を
トーキー映画的加工術の粋を結集して甦らせた作品であります。
極道組織と政治家&警察の癒着によって
悪の天国と化した街で正義を貫こうとする刑事たちの闘いを
スター主義、娯楽映画的スリル&サスペンス生成術
暇つぶし映画的効率主義の限りを尽くして描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、風刺劇的過激さと大衆娯楽的堅実さによる共同戦線と
正義漢&悪漢が抱えるリスクを映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(極道組織幹部の壮絶な最期と
悪徳判事&刑事の静かなる破滅を描きつつ
「諸悪の根源」の運命を抽象化することによって
勧善懲悪の爽快感と社会派的苦味が交錯する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「トーキー型対組織犯罪映画入門」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
主演男優R・ミッチャム&R・ライアンの放つ極道風味
暴力性を抑制しつつスリル&サスペンスを醸し出す
アクション・シーン生成術、家族主義に対する皮肉
政治家&警察に対する信頼と疑心の入り交じった思いが
絡み合う事によって再映画化され
後年の刑事映画&ドラマに対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。