映画に感謝を捧ぐ! 「私は殺さない」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアーヴィング・ピシェル監督の
「私は殺さない」に感謝を捧げようと思います。
サスペンス映画 コレクション 容疑者 DVD10枚組 ACC-219 - チャールズ・ロートン, エラ・レインズ, ロバート・ヤング, スーザン・ヘイワード, ジェーン・グリア, アイダ・ルピノ, ルイス・ヘイワード, ダン・デュリエ, ゴードン・ゲバート, シドニー・グリーンストリート, ピーター・ローレ, ロバート・ライアン, ロンダ・フレミング, ウィリアム・ランディガン, スティーヴ・コクラン, ヴァージニア・グレイ, ギャビー・アンドレ, ウィリアム・エイス, ロイド・ノーラン, アラン・ラッド, ゲイル・ラッセル, バーバラ・スタンウィック, デヴィッド・ニーヴン, リチャード・コンテ, ロバート・シオドマク, アーヴィング・ピシェル, チャールズ・ヴィダー, ジョン・ラインハルト, ジーン・ネグレスコ, ロイ・ウォード・ベイカー, アンドリュー・L・ストーン, ヘンリー・ハサウェイ, ジョン・ファロー, アンドレ・ド・トス
殺人容疑で逮捕された男「ローレンス・バランタイン」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
軽やかなる映画技法と文学性に彩られた愛憎劇であります。
自らの不誠実さによって追いつめられていく男と
彼を愛したことによって
運命を狂わされた女達の悲劇を
サスペンス技法と文学的語り口を駆使しながら
描いていくストーリー&演出は
私に「理性&計略と愛情のせめぎ合い」
「運命のブラック・ユーモア性」・「嘘を積み重ねた人間の末路」を
映画的に表現する試みの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(法的目線と倫理的目線の乖離を象徴するかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級文学+技巧派愛憎劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
複雑怪奇化していく男女関係と
運命の悪戯が重なっていくことによって生じた惨劇を
躍動感と渋味の均整を保ちながら写し出していく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。