映画に感謝を捧ぐ! 「恋の十日間」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はウィリアム・ディターレ監督の
「恋の十日間」に感謝を捧げようと思います。
恋の十日間 I'll be Seeing You [DVD] - ジンジャー・ロジャース, ジョセフ・コットン, シャーリー・テンプル, スプリング・ビンクトン, ウィリアム・ディターレ
チャールズ・マーティンの同名ラジオドラマを
もとにして作られた本作は
人情劇要素とイベント・ムービー要素が
絶妙のバランスで配合された恋愛劇であります。
過去のトラウマを乗り越えようとする男女2人の姿を
クリスマス&年末年始の特性、1940年代のアメリカ事情
文学的語り口を駆使しつつ
軽快さと渋味の均整を保ちながら描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「戦争」が人心に与える影響、運命の不条理性
過去と現在を結ぶ絆を恋愛劇的に描いていく試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(大人への一歩を踏み出した少女と
己の思いと向き合い、未来に向かって歩んでいく男女の姿を
静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「恋愛劇型戦争&人生論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
恋愛映画、クリスマス映画、トラウマ克服系映画の王道と
1940年代のアメリカを覆う「軍隊礼賛」への皮肉を
融合させることによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。