映画に感謝を捧ぐ! 「バタリアン4」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエロリー・エルカイェム監督の「バタリアン4」に
感謝を捧げようと思います。
バタリアン4 [DVD] - ピーター・コヨーテ, ジョン・キーフ, エイミー・リン・チャドウィック, コリー・ハードリクト, エロリー・エルカイェム, ウィリアム・バトラー, アーロン・ストロンゴーニ, ピーター・コヨーテ
1985年の映画「バタリアン」をもとにして作られた
人気シリーズの4作目となる本作は
時代の空気を取り込みつつ
長き眠りから目覚めた「バタリアン神話」の
新たなる旅立ちを感じさせるシリーズ第4章であります。
「バタリアン」シリーズの状況設定&モンスター造形を継承しつつ
1作目&2作目に宿っていたブラック・ユーモア性と
3作目の持つ悲劇性を薄めつつ
アクション映画的武闘派感とSF映画的装飾を増幅させることによって
生を受けたストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「シリーズの持ち味」を生かしながら
ゾンビ系ホラー的残酷性+スリル&サスペンスを高めようとする試みと
人間の暴走がもたらす恐怖を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「続編への序曲」を前面に出した幕切れと
「バタリアン」達の緩やかな舞台裏が
前2作的ユーモアを感じさせるエンドロールとなっている点も
見逃せません。)
まさに、ゾンビ系ホラーにおける伝統芸と
時代と共に変化していく特性を軽やかに体現した
「バタリアン」第4章であると言えるでしょう。
友の危機を救うため
ゾンビの肉体&本能と人間的精神を兼ね備えたモンスター
「バタリアン」の野性的輝きと
世界制覇の野望に心身を蝕まれたマッド・サイエンティストの
領域へと踏み込むことによって
過去の傷を克服しつつ、内なる暴力性に目覚めていく若者達の姿が
「バタリアン神話」の持つ可能性を感じさせる本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。