映画に感謝を捧ぐ! 「ラトン・パスの闘い」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はエドウィン・L・マリン監督の

 「ラトン・パスの闘い」に感謝を捧げようと思います。

ラトン・パスの闘い [DVD] - デニス・モーガン, パトリシア・ニール, スティーヴ・コクラン, エドヴィン・L・マリン, デニス・モーガン
ラトン・パスの闘い [DVD] - デニス・モーガン, パトリシア・ニール, スティーヴ・コクラン, エドヴィン・L・マリン, デニス・モーガン

トム・ブラックバーンの小説「ラトン・パス」を

 もとにして作られた本作は

 巧妙なる娯楽技術に彩られた西部劇であります。

 牧場主の妻という生き様に馴染めず

 「悪女」と化してしまったヒロインが

 極道映画級の抗争を引き起こしてしまう光景を

 西部劇流アクション生成術と

 見せ場以外を省略する編集技を駆使しながら描いていく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「異文化交流の失敗」による惨劇と

 量産型西部劇と極道映画のサービス精神を

 融合させることによって生じる科学反応の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (勧善懲悪の爽快感よりも

 悪女の執念&悲哀と復讐の虚しさが印象深い

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「集団抗争+悪女系西部劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 西部劇的見せ場主義を保ちつつ

 欲望と理性、法治主義と武闘主義のせめぎ合い

 悪女生成の過程、異文化交流に潜む危険要素を

 世に示した本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。