映画に感謝を捧ぐ! 「魔の家」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジェイムズ・ホエール監督の「魔の家」に

 感謝を捧げようと思います。

魔の家 [DVD] - ボリス・カーロフ, ジェームス・ホエール, ボリス・カーロフ
魔の家 [DVD] - ボリス・カーロフ, ジェームス・ホエール, ボリス・カーロフ

 J・B・プリーストリーの小説「Benighted」を

 もとにして作られた本作は

 堅実にして技巧的な怪奇映画であります。

 「家」とその周辺のみという空間的制約の中で

 残酷描写&特殊効果への依存を極限まで抑制し

 俳優&女優陣の存在力、地形効果

 映像技によって怪奇ムードを生成していくという試みは

 私に「音、光、闇」を操ることによって

 想像力を刺激する妙技と

 閉鎖的環境&外見至上主義がもたらす悲劇の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「家」そのものが抱える問題を曖昧化しつつ

 ハッピー・エンドへと着地させる

 決着の付け方となっている点も見逃せません。)

 まさに「軽量級&ムード派館系ホラー」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 閉鎖系サスペンス+館系ホラー的恐怖

 アトラクション的装飾、文学的台詞が絡み合った

 ストーリー&演出を効率的に進行させることによって

 後年のホラー映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。