映画に感謝を捧ぐ! 「恐るべき親たち」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジャン・コクトー監督の

 「恐るべき親たち」に感謝を捧げようと思います。

恐るべき親たち [DVD] - ジャン・マレー, ジャン・コクトー, ジャン・マレー, ジョゼット・デイ, イヴォンヌ・ド・ブレ, マルセル・アンドレ, ジャン・コクトー, ミシェル・ケルベ, ジョルジュ・オーリック
恐るべき親たち [DVD] - ジャン・マレー, ジャン・コクトー, ジャン・マレー, ジョゼット・デイ, イヴォンヌ・ド・ブレ, マルセル・アンドレ, ジャン・コクトー, ミシェル・ケルベ, ジョルジュ・オーリック

 ジャン・コクトーの同名戯曲をもとにして作られた本作は

 同監督による小説「恐るべき子供たち」に通じる

 陰鬱なるスリル&サスペンス+純文学性に彩られた家族劇であります。

 愛憎渦巻きながらも平穏を装っていた家族関係が

 

 一人の女によって崩壊へと向かっていく悲劇を

 暴力的な表現&空間的スケール感を抑制しながら

 写し出していくストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「愛と狂気を結ぶ絆」・「運命の残酷さ&難解さ」

 「男女関係&親子関係の暗部」を映画的に表現する試みと

 スケール感&スピード感、文学性と娯楽性

 舞台劇要素と映画要素の均整を保った

 愛憎劇作りの一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (不吉さを感じさせるメッセージと

 段階的に登場人物から距離を置くかのような映像技によって

 鑑賞者の想像力を刺激する幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「純文学型愛憎系家族劇」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 ホームドラマ、ロマンス、サスペンスが静かに絡み合いながら

 様々なコンプレックスに支配された4人家族の悲劇を写し出す本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。