映画に感謝を捧ぐ! 「ブラウン・バニー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はヴィンセント・ギャロ監督&主演の

 「ブラウン・バニー」に感謝を捧げようと思います。

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バイクレーサー「バド・クレイ」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 内向的文学性に溢れた道中劇であります。

 V・ギャロ扮する主人公の旅&ロマンスを

 状況説明的表現を抑制し

 ホームビデオ的目線と主人公目線を

 使い分けながら淡々と写し出していくストーリー&演出は

 私に「作り手の精神世界」を映像作品化する試みと

 記録映像技法と娯楽作品技法が

 独特のバランスで共存する光景の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「サスペンス的どんでん返し」をクールに描写した後

 主人公の末路を鑑賞者の想像力に委ねようとするかのような

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰性文学系記録映像型道中劇」の

 

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 自分自身を素材とする「作品世界」を生成しようとするV・ギャロと

 彼を支える仲間たちの技が融合することによって生を受け

 映画賞&ビジネス的成功を追求する映画とは一味違う

 静かなる純文学性を放つ存在となった本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。