映画に感謝を捧ぐ! 「ビバリウム」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はロルカン・フィネガン監督の

 「ビバリウム」に感謝を捧げようと思います。
 

 家探しのために住宅地「ヨンダー」を訪れた
 
 夫婦の運命を描いた本作は

 絵画的且つ人生訓的な恐怖に彩られた

 巻き込まれ映画であります。

 作り物感満載のCG映像

 暴力&人体破壊+状況設明を極限まで抑制し

 不条理な状況によって心身を蝕まれていく

 恐怖に重きを置いたストーリー

 「童話の挿絵感」に包まれた俳優&女優陣が一体となる光景は

 私に環境と精神、情報と恐怖&狂気

 親と子供の関係に関する一考察と

 殺人&破壊に依存しない怪奇恐怖生成術の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (登場人物の最期&新たなる悲劇の序曲を

 淡々と写し出すことによって苦味&恐怖感を高めていく

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「空間限定型陰性ホームドラマ系ホラー」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 「泳ぐひと」・「CUBE(キューブ)」の流れを汲みつつ

 陰性童話と異常心理劇の特性を融合させる

 事によって生を受けた作品世界が

 他のホラー映画とは一味違う

 穏健且つ陰湿な怪奇恐怖を放つ本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。