映画に感謝を捧ぐ! 「宿なしハックの冒険」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。
 
 今回はリチャード・ソープ監督の

 「宿なしハックの冒険」に感謝を捧げようと思います。

 

 「トム・ソーヤの冒険(1938年版)」の流れを汲む本作は

 後年の映画戦術に影響を与えた記念碑的作品であります。

 「人気作の名脇役を主演に据えた番外編を作る」という発想

 「アメリカ史の暗部に迫る」目線

 「和やかに幕を開け、段階的にシリアスな方向へ向かう」

 作劇法&映像技が一体となった

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「物語&教訓性とビジネス性の共存を図る」バランス感覚と

 暴力描写を抑制しつつ、スリル&サスペンス+社会派性を
  
 高めていく手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (万事解決のハッピー・エンドへ着地しつつ

 ささやかなブラック・ユーモアを仕込んだ

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「生真面目系外伝映画」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 M・トゥエインが世に送った名作の一つ

 「トム・ソーヤの冒険」における名脇役

 ハックルベリー・フィンの冒険譚を

 社会風刺と善男善女向けユーモア&活劇性の

 均整を保ちながら描いていくことによって

 後年の娯楽映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。