映画に感謝を捧ぐ! 「エンド・オブ・フューチャー」 

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフランク・ヴェスティエル監督の

 「エンド・オブ・フューチャー」に感謝を捧げようと思います。

 

 謎の施設「エデン・ログ」に関わる人々の

 運命を描いた本作は

 SF映画史上屈指の「陰鬱なる幻想性」を

 感じさせる怪作であります。

 状況設明を極限まで抑制しつつ

 様々な危機を描いていくことによって

 鑑賞者を主人公と同じ境遇に

 追い込もうとするかのようなストーリーと

 陰性の色彩、幻惑的表現の数々によって

 登場人物の状況を把握する事の

 難易度を高めるかのような演出が一体となる光景は

 私に「陰性SF風味と陰性童話風味による共同戦線」と

 臨場感を追求する作劇法&映像技の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (SF映画史上最大級の「静かなる滅亡感」に溢れた

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰性心理迷宮系SF」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 SF映画にありがちな要素の積み重ねでありながらも

 クールな神秘性&残酷性を感じさせる本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。