映画に感謝を捧ぐ! 「百萬両秘聞 第二編」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマキノ省三監督の「百萬両秘聞 第二編」に
感謝を捧げようと思います。
1927年の映画「百萬両秘聞」の後日談となる本作は
静かなる盛り上げ力に彩られた
続編系サイレント時代劇であります。
アクション・シーンを抑制し
欲望、愛憎、信念渦巻く人間模様を重視しつつ
段階的に「お宝争奪戦」を盛り上げていくストーリー&演出は
私に「宝」が人心に与える影響を
時代劇的に表現する試みと
「見せ場」となる部分にアクション・シーン生成力を
集中させる技法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(宝&使命の呪縛から解放された男たちの姿が
万事解決的ハッピー・エンドとは一味違う
心地よさを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「サイレント時代劇型心理論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
「百万両異聞」の物語&娯楽性を継承しながら
ある種の「風刺性」を持つ方向へと進行していった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。