映画に感謝を捧ぐ! 「血のバケツ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はロジャー・コーマン監督の「血のバケツ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 彫刻家をめざす青年が

 狂気に取り憑かれていく姿を描いた本作は

 文学性と大衆食堂性が一体となった作品であります。

 「芸術へのあこがれと創作意欲によって

 良心を失っていく人間を描く」という

 純文学的発想と

 娯楽映画風味の映像表現・音楽表現が一体となる姿は

 私に文学要素と娯楽要素の共存が可能であることを

 示してくれました。

 (巧みな省力化・予算抑制によって

 「豪華絢爛さによって本質を失う」状況に陥ることを

 防いでいる点も見逃せません。)

 まさに「予算枠以上の風格と純心素朴な娯楽」を追求してきた

 R・コーマン監督ならではの心理劇であると言えるでしょう。

 怪奇映画とサスペンス映画を融合させたかのような表現法と

 クリエーターの心中に潜む闇をえぐり出す物語が

 

 程よく調和した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。