映画に感謝を捧ぐ! 「アニマル・キングダム(2010年版)」
映画感謝人GHMです。
今回はデヴィッド・ミショッド監督の「アニマル・キングダム(2010年版)」に
感謝を捧げようと思います。
犯罪者一家「コディ家」の運命を描いた本作は
家族愛と悪意が全編を覆う、異色の犯罪映画であります。
犯罪者一家と警察が織りなす「抗争の日々」を
娯楽映画的盛り上げを廃した冷徹なるストーリー展開と
静かなる暴力描写を駆使して描くという試みは
私に「陰性のスリルと悪徳の絆」に満ちあふれた世界を
目の当たりにする時間をもたらしました。
(状況に流され続けた主人公が行った「最終決断」が
後味の悪さと背徳的爽快感を兼ね備えた幕切れを生み出している点も見逃せません。)
まさに「映画史上屈指の凶悪性を誇るホームドラマ」であると言えるでしょう。
暴力・犯罪・愛情によって結びつけられた「絆」が
同じ存在によって崩壊していく光景が
歪んだ勧善懲悪性と罪深き快感を生み出した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。