映画に感謝を捧ぐ! 「山羊座のもとに」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はアルフレッド・ヒッチコック監督の「山羊座のもとに」に
感謝を捧げようと思います。
ヘレン・シンプスンの同名小説をもとにして作られた本作は
奇襲的な展開に驚かされる怪作であります。
「巻き込まれ映画」の定番通りに進行すると見せかけて
恋愛劇・社会派・サスペンスが入り交じった状況へと進む物語を
技巧的表現法を抑制しながら描くという試みは
私に「格差恋愛劇」の奥に潜む暗部と
「愛」の持つ危険要素を目の当たりにする機会をもたらしました。
(映画史上屈指の「強引さ」を誇るハッピー・エンドが
我々の「ハッピー・エンド願望」に対する皮肉となっている点も見逃せません。)
まさに「ジャンル融合型愛憎劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
キャスト陣の放つ「スター性」とスタッフ陣の意地悪さによって生成された
つかみ所のないストーリー展開が
時間と共に「ジェット・コースター的な快感」へと繋がっていく本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。