映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ルーム」
映画感謝人GHM(西村哲也)です。
今回はジル・ダオー監督の「ザ・ルーム」に
感謝を捧げようと思います。
自宅で発生した怪現象に翻弄される家族の運命を描いた本作は
空間限定型ホラー作りの難しさを世に示した作品であります。
陰性ホームドラマと館系ホラーの特性を融合させることによって
モンスターによる流血や人体破壊とは異なる怪奇恐怖を生成する一方で
怪現象を無秩序に増幅させることによって「真相」への興味を誘発しようという
スタッフ陣の奮闘が
物語に「過度の難解さ」と「説得力の減退」を与えてしまうという状況は
私に、謎解き映画における「説得力のある解答」を生み出す苦しみと
ホラー映画における「ルール確立」の大切さを再認識する機会をもたらしました。
まさに「ホラー系家族劇」屈指の不条理性を誇る怪作であるといえるでしょう。
「説明台詞の抑制&短期決戦型ストーリー展開」によって生成される神秘性が
物語の「竜頭蛇尾化」をもたらすという運命の皮肉が哀愁をかき立てる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。