映画に感謝を捧ぐ! 「サロメ(2002年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカルロス・サウラ監督の「サロメ(2002年版)」に
感謝を捧げようと思います。
オスカー・ワイルドの同名実話系戯曲をもとにして作られた本作は
2002年に作られた本作は
様々な要素が相まみえる映画史上屈指の異色作であります。
クールでありながらも人間味のある舞台裏インタビュー
静かなるエロティシズム、メッセージ性、妖気を放つ舞踏
絵画的魅力と怪奇的恐怖を兼ね備えた色彩&描写
神秘性に満ち溢れた音楽が一体となる光景は
私に、愛の暗部と権力者の傲慢が結びつく事によって生じる悲劇と
舞台劇の魅力&創造過程を映画的に表現する技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(恋愛劇と怪奇映画の「悲劇的決着」を融合させたかのような
雰囲気を放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「舞台劇+権力&愛憎入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
後年の映画「ドッグヴィル」に通じる実験精神によって
映画性と舞台性を融合させつつ
ドキュメンタリーを経て恋愛悲劇に至るという離れ業を見せることによって
映像作品の持つ大いなる可能性を見せてくれた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。