映画に感謝を捧ぐ! 「魅せられて(1949年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマックス・オフュルス監督の「魅せられて(1949年版)」に
感謝を捧げようと思います。
リビー・ブロックの小説「Wild Calendar」を
もとにして作られた本作は
技巧と効率性に彩られた愛憎劇であります。
恋愛劇と異常心理劇を組み合わせたかのような
ストーリー&演出、キャラクター造形が
スリリング且つ効率的に進行していく光景は
私に「ロマンスとサスペンスの近似性」と
愛情以外の理由による「結婚」がもたらす悲劇を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドと悲劇が静かに絡み合う幕切れを通じて
運命&愛情の複雑怪奇さを示している点も見逃せません。)
まさに「異常心理系恋愛悲劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
「要所以外は巧みに省略する」作劇術
「残酷な場面は抽象化しつつ、スリル&サスペンスを保ち続ける」映像技
「愛と狂気の近似性+富&名誉にこだわる人生に潜む落とし穴」に
対する警鐘が一堂に会した本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。