映画に感謝を捧ぐ! 「ストロンボリ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロベルト・ロッセリーニ監督の
「ストロンボリ」に感謝を捧げようと思います。
ストロンボリ 《IVC BEST SELECTION》 [DVD] - イングリッド・バーグマン, マリオ・ヴィターレ, ロベルト・ロッセリーニ
移民収容所から逃れるために結婚した女性
「カリン」と彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
映像技、社会性、文学性が絡み合う女性映画であります。
戦争がもたらす悲劇、文化摩擦、愛憎渦巻く人間模様
海洋系ハンティング・アクション
災害映画&冒険活劇的アクションが融合した
ストーリー&演出、キャラクター造形が
軽快且つ陰鬱に進行する光景は
私に「映像的見せ場と文学&社会論的見せ場の共同戦線」と
男女の精神的相違点&異文化のせめぎ合いがもたらす悲劇の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(「母性」に目覚めたヒロインの旅立ちを掲げつつ
意図的に「結論」を抽象化することによって
悲劇性と命の鼓動がせめぎ合う幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「文化論&冒険型日常劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
「島」に住む人々特有の閉鎖性、女性心理と男性心理のぶつかり合い
自然の過酷さに抗いながら生きる人々の光と闇を
記録映像的技法と娯楽映画技法を共生させながら写し出していく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。