映画に感謝を捧ぐ! 「ブロンドの殺人者」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はエドワード・ドミトリク監督の「ブロンドの殺人者」に

 感謝を捧げようと思います。

ブロンドの殺人者 [DVD] - ディック・パウエル, エドワード・ドミトリク
ブロンドの殺人者 [DVD] - ディック・パウエル, エドワード・ドミトリク

 レイモンド・チャンドラーの小説「さらば愛しき人よ」を

 もとにして1944年に作られた本作は

 堅実さと実験性が交錯する探偵映画であります。

 R・チャンドラー作品特有の「心の声」・「悪女」

 「欲望&暴力渦巻く人間模様」を

 映画的に加工する堅実さと

 「薬物による幻覚」を映画的に表現することを試みる

 実験性が一体となった

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「王道的サービス精神と実験精神の共存法」と

 男性の繊細さ&女性の凶暴性+策士性の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドの爽快感よりも

 悪女に翻弄された男たちの悲哀が印象深い

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「探偵映画&反ドラッグ入門」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 男の哀しみと女の魔性&獣性

 探偵小説技法とサスペンス映画技法が絡み合う本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。