映画に感謝を捧ぐ! 「ビフォア・サンセット」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリチャード・リンクレイター監督の
「ビフォア・サンセット」に感謝を捧げようと思います。
ビフォア・サンセット [DVD] - イーサン・ホーク, ジュリー・デルピー, リチャード・リンクレイター
1995年の映画「ビフォア・サンライズ 恋人たちの距離」を
もとにして作られた人気シリーズの2作目となる本作は
他の続編映画とは一味違う「絆」を
感じさせる作品であります。
前作の精神&人間関係を継承しつつ
時間的制約&会話の躍動感+スケール感を
強めることによって生を受けた
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「キャスト&スタッフと作品の結びつきが強まることによって
現実と物語の境界線が抽象化していく」
「物理的スケール感を抑制することによって
精神的スケール感が高まっていく」現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(旅の時間と日常の時間を隔てる境目を認識しつつ
旅情を残したまま終幕を迎える事によって
新たなる物語の予感を宿す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに躍動感と重厚感、会話と観光旅行的映像
ロマンスと教訓&社会性が静かに交錯する
「ビフォア・サンライズ 恋人たちの距離」第2章であると言えるでしょう。
続編映画特有の「映像的スケール感増幅」に背を向けて
精神的発展性に重きを置く事によって
「ビフォア・サンライズ 恋人たちの距離」を
神話の領域へと導いていく本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。