映画に感謝を捧ぐ! 「十二人の怒れる男」

 映画感謝人GHMです。

 今回はシドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1954年にアメリカで放送された同名TVドラマを

 もとにして作られた本作は

 「状況限定」の醍醐味を最大限に示した作品であります。

 ドラマティックな表現を抑制し、臨場感を引き出すことに重きを置いた映像と

 極限までに抑制されたストーリーと圧迫感のある演出を駆使することによって

 犯罪の有罪・無罪を問う空間を

 「正義の行使・言論の自由」がもたらす責任・意見交換によって広がっていく視野

 己の心中に向き合うことの痛みと重みを示す場へと

 変わっていく姿は

 私に「言葉と精神の戦い」の醍醐味を味わいながら

 「空間的抑制が精神の幅を広げる」事を学ぶ時間を与えてくれました。 

 

 (己の信念に基づいて意見を語る人物と

 日和見的な人物との書き分けが巧妙に成されている点も

 素晴らしいです。)

 

 まさに「陪審評決」を通じて人間の魂を問う

 作品であると言えるでしょう。

 暴力シーン・特殊効果をほとんど使うことなく

 壮絶なる緊張感と迫力を生み出すことに成功した本作と 

 生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。