映画に感謝を捧ぐ! 「ジャック・サマースビー」

 映画感謝人GHMです。

 今回はジョン・アミエル監督の「ジャック・サマースビー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1982年のフランス映画「Le Retour de Martin Guerre」を

 

 もとにして作られた本作は

 「思い」の力を皮肉極まる形で表現した作品であります。

 主人公と彼を取り巻く人々の「思い」が

 「真実」を理想的な形へと変える一方で

 主人公を慕う女性の「愛」が

 理想的な真実に立ちふさがる「壁」となる姿を

 安易なハッピー・エンドに逃避することなく描くことに挑んだ

 スタッフ・キャスト陣の勇気は

 私に「人間は信じたいものを信じる」ことと

 「自己犠牲と現実逃避は紙一重の位置にある」ことを

 示してくれました。

 (南北戦争直後のアメリカで発生した「軋轢」を

 描いている点も見逃せません。)

 まさにアメリカ史の一端を描きつつ

 「真実」のありようを問う作品であると

 言えるでしょう。

 主人公の自己犠牲に批判的目線を与えることによって

 おとぎ話のようなストーリーに「説得力」を与える事に成功した本作と

 生きて映画を見ることが出来る幸せに深い感謝を!!!。