映画に感謝を捧ぐ! 「俺たちに明日はない」
映画感謝人GHMです。
感謝を捧げようと思います。
1930年代の強盗団「バロウ・ギャング」を
もとにして作られた本作は
現実逃避的な健全主義が支配する「60年代アメリカ映画界」に
大いなる衝撃を与えた歴史的作品であります。
巧みな映像技と「暴力の現実」を見据えた視線によって作られた
アクション・シーンの数々
不気味なまでに軽快かつ上品な音楽
説得力のある時代背景描写・心理描写によって
「犯罪者への愛と共感に満ちた物語」を違和感なく写し出すことを
可能にした作劇法
「正義の凶暴性」に対する警鐘と主人公カップルへの哀悼に満ちたラスト・シーンが
一体となる姿は
私に「背徳的なスリルが生み出す快感」と
映画史上まれに見る「不快な勧善懲悪」に触れる機会をもたらしました。
(明るくも哀しげな色彩が
何気ないシーンに深みと哀愁を与えている点も見逃せません。)
まさに「戦後アメリカ史における反抗期を体現した作品」
であると言えるでしょう。
テクノロジーに支配される事なき「犯罪映画」の魅力と哀愁に満ちた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。