映画に感謝を捧ぐ! 「大統領の陰謀」
映画感謝人GHMです。
今回はアラン・J・パクラ監督の「大統領の陰謀」に
感謝を捧げようと思います。
カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの手記をもとにして作られた本作は
実話系映画最大級の「冷徹さ」を誇る作品であります。
「そこにある」風景・行動を忠実に写し出す事に徹した映像・音響表現と
情緒に溺れず、目の前にある情報を冷静につなぎ合わせていく作劇法を駆使して
「アメリカ政治史を揺るがす大事件」を描こうという大胆極まる挑戦は
私に「パズルゲームの醍醐味」・「歴史の裏側をのぞき見る快感」
「弱者が強者を打ちのめす快感」を同時体験する時間をもたらしました。
(「本物の映像」を戦略的に挿入することによって作品の説得力を高めている点や
「真実の勝利」をタイプライターによって表現した終幕が
活劇的ハッピー・エンドとは異なる感動を生み出している点も見逃せません。)
まさに「クールな頭脳と静かなる情熱の結晶」と呼ぶにふさわしい
実話系映画であると言えるでしょう。
我々大衆の心中に宿る「権力への不信感」・「万物の舞台裏を覗きたいという衝動」
「民衆の正義」が勝利する姿を見たいという思いを
娯楽的盛り上げ法をほとんど用いることなく可能にした
スタッフ・キャスト陣の精神力・技術力に心打たれる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。