映画に感謝を捧ぐ! 「ヒューマンネイチュア」

映画感謝人GHMです。

 今回はミシェル・ゴンドリー監督の「ヒューマンネイチュア」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 特異体質の女性・類人猿として育てられた男性・マナーにこだわる動物学者の

 交流を描いた本作は

 童話的感覚と意地悪なユーモア感覚を兼ね備えた作品であります。

 「環境と生物との関係」という哲学的&科学的題材を

 恋愛喜劇とドタバタ喜劇を融合させたかのようなスタイルで描くという試みは

 私に「優れた喜劇は(笑い事)の領域を超える存在である」事を

 再認識する機会をもたらしました。

 (感動的シーンからの奇襲的ドンデン返しによって

 「感動する」という行為に対する皮肉の効いた終幕を生み出している点も

 見逃せません。)

 まさに「意地悪を極めた教訓喜劇」と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。

 奇抜な発想と冷徹なる観察眼によって

 

 「人間の偽善性と排他性を痛烈にえぐり出すと同時に

 教訓映画の図式をからかう」という離れ業を可能にした本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。