映画に感謝を捧ぐ! 「ブギーナイツ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はポール・トーマス・アンダーソン監督の「ブギーナイツ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 70~80年代のポルノ映画界に生きる人々の姿を描いた本作は

 技術と魂が一体となった「舞台裏映画」の強豪であります。

 説明台詞を最小限にとどめ、「映像」で語る事を重視した表現法

 (私の先入観を打ち破る「明るい70年代→暗い80年代」

 という目線に驚かされました。)

 胡散臭さと現実感が程よく調和した俳優&女優陣

 (演技の枠を超えて「ショービジネス」を体現しているという印象を受けました。)

 膨大な情報量を破綻することなく処理していくバランス感覚

 絶妙のタイミング&選曲で流れていく挿入曲が一堂に会する光景は

 私に「舞台裏をのぞき見る快感」・「人間性よりも肩書きが先行する世界の恐怖」

 「SF映画とは異なるタイムスリップ感覚」を体現する時間をもたらしました。

 (殺伐とした流れから「心温まる幕切れ」への着地を違和感なく行っている点も

 見逃せません。)

 まさに「過激にして繊細な家族劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 ポルノ映画界を通じて「人間社会の光と闇」を写し出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。