映画に感謝を捧ぐ! 「ディア・ハンター」
映画感謝人GHMです。
感謝を捧げようと思います。
ベトナム戦争によって人生を変えられた
男3人の姿を描いた本作は
アウトロー監督M・チミノの芸術的狂気と悪意が炸裂する戦争映画であります。
全体のつながりよりも「個々の場面」に重きを置いた作劇法
戦争映画史上まれに見るほどの「猛毒」を放つストーリー
(穏やかな雰囲気の中に「空しさ」を宿す終幕も印象的です。)
R・デ・ニーロ&C・ウォーケンの七変化ぶり。
華やかさと寒々しさが共存する映像表現
不似合いなまでに叙情的な音楽が一堂に会して
「複雑にして残酷な戦争映画」を形成していく光景は
私に「戦争にかかわる人間を蝕む狂気」を体感する機会と
世界を覆う「悪意ある目線」に流されることなく
受け止める精神を養うための試練をもたらしました。
本作こそ「映画上級者向けの戦争映画」と呼ぶべき作品であると言えるでしょう。
成功作・失敗作の次元を超えた複雑怪奇さと
強固なるマイナスエネルギーに満ちた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。