映画に感謝を捧ぐ! 「モスキート・コースト」

 映画感謝人GHMです。

 

 今回はピーター・ウィアー監督の「モスキート・コースト」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 

 ポール・セローの小説をもとにして作られた本作は

 美しさと苦味が共存する家族劇であります。

 文明社会とジャングルの個性を最大限に引き出した映像技

 暴走する理想主義と開拓精神による悲劇を通じて

 「自然の雄大さと人間の矮小さ」を示したストーリー

 (主人公の言動に一定の正当性を与えることによって

 単なる「狂気の沙汰」にしないよう配慮されている点も素晴らしいです。)

 主演男優H・フォードの「自然主義と独善主義の間を彷徨う怪演ぶり」が

 (「アメリカン・ヒーロー俳優」という肩書きを逆手に取ったキャスティング・センスが

 彼の秘めたる魅力を引き出している点も見逃せません。)

 一堂に会する光景は

 私に、大義と理想を振りかざす人間を待つ「落とし穴」の存在

 人間社会と自然との複雑な関係

 物は使う人間の心によって善にも悪にもなりうることを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 まさに対照的な存在が融合することによって生じる化学反応

 人間と自然が共生していく事の難しさ・人生における通過儀礼

 体感させられる作品であると言えるでしょう。

 「アメリカ流正義漢&冒険精神」を象徴する主人公を通じて

 アメリカの長所と短所をさらけ出すと同時に

 文明の光と闇を写し出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。