映画に感謝を捧ぐ! 「人質」

 映画感謝人GHMです。

 今回はリチャード・シェパード監督の「人質」に

 感謝を捧げようと思います。

  

 誘拐犯との危険なゲームに挑む女性刑事の運命を描いた本作は

 奇抜な犯人像が印象的な作品であります。

 優れたスキルと危機的状況を楽しむ精神を兼ね備えた犯人の言葉遊びと手品に

 翻弄される警察&FBIの姿を

 活劇的盛り上げ法をほとんど用いることなく描くという

 大胆極まる発想は

 私に「犯罪者に操られることによって事件を解決していく捜査官」という

 逆説的な状況を目の当たりにする時間をもたらしました。

 (ハッピー・エンドであるにもかかわらず「正義の勝利」を感じさせない

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「反ヒーロー系犯罪サスペンス」の一形態を世に示した

 作品であるといえるでしょう。

 勧善懲悪映画の王道「組織的な悪に一人で立ち向かう主人公」を

 逆手に取ったかのような空気を放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。