映画に感謝を捧ぐ! 「ラスト・ショー」
映画感謝人GHMです。
今回はピーター・ボグダノヴィッチ監督の「ラスト・ショー」に
感謝を捧げようと思います。
ラリー・マクマートリーの同名小説をもとにして作られた本作は
静かなる愛と残酷さに包まれた青春映画であります。
退廃的な空気と滅びの気配に支配された町を通じて
「希望と正義に満ちたアメリカ」の崩壊を写し出したストーリー
西部劇と世界滅亡系SFを融合させたかのような
素朴さと冷たさに満ちあふれた映像表現
凄まじいほどの生活感と無気力感を感じさせる登場人物たち
軽やかでありながらも寂しげな名曲の数々が一堂に会する光景は
私に「1970年代の世界」を支配する絶望感
時代の転機がもたらす痛みを目の当たりにする機会をもたらしました。
(殺伐とした空気の中で輝く「映画愛」と
ハッピー・エンドとバッド・エンドの間に立つかのような幕切れが
作品の情味と苦味を高めている点も見逃せません。)
まさに「社会派青春映画」の最高峰に位置する強豪作であると
言えるでしょう。
P・ボグダノヴィッチ監督の「映画史への敬意」と
1970年代アメリカの気風が一体となることによって発生した
化学反応によって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。