映画に感謝を捧ぐ! 「ブレーキ(2012年版)」

 映画感謝人GHMです。

 今回はゲイブ・トーレス監督の「ブレーキ(2012年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 

 謎のボックスに閉じこめられた男の運命を描いた本作は

 「状況限定映画」の究極形態を示した作品であります。

 動きを最小限度にとどめた映像表現と

 徹底した情報管理によって主人公と鑑賞者を「ほぼ同じ境遇」に置くという試みは

 私に「主人公の不安と圧迫感を共有する」感覚と

 娯楽的躍動感を廃することによって生じるスリルを同時体験する機会をもたらしました。

 (映画特有の「ご都合主義」を逆手に取ったストーリー展開や

 「ハリウッド流ハッピー・エンド」を意地悪くからかうかのような幕切れによって

 ホラー映画以上の怪奇恐怖と苦味をもたらしている点も見逃せません。)

 まさに、アトラクション型映画・恐怖論・ブラックユーモア・陰謀映画が

 奇妙な形で融合した作品であると言えるでしょう。

 映画史上屈指の閉塞感と「想像力をかき立てる要素」に満ちた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。