映画に感謝を捧ぐ! 「黙秘」

映画感謝人GHMです。

 今回はテイラー・ハックフォード監督の「黙秘」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 スティーブン・キングの小説「ドロレス・クレイボーン」をもとにして作られた本作は

 美しくも凶暴な愛に包まれた家族劇であります。

 変死事件の謎に迫るサスペンス映画の衣をまといながら

 「壮絶な人生を生きた母子の断絶と和解」を描いた物語を

 絶妙の色彩感覚と編集技を駆使して描くという実験的な試みは

 私に「ホラー映画とは異なる怪奇恐怖感」と「感動劇とは異なる癒し要素」に

 包まれた時間をもたらしました。

 (「ハリウッド的ハッピー・エンド」の形態を取っているにもかかわらず

 苦味の強い幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「人情と不人情が交錯する」ホームドラマ型サスペンスであると言えるでしょう。

 怪奇映画的な残酷描写をほとんど用いることなく

 S・キング作品特有の毒気と恐怖を映像化することに挑んだ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。