映画に感謝を捧ぐ! 「タイガーランド」

映画感謝人GHMです。

 今回はジョエル・シューマッカー監督の「タイガーランド」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ベトナム戦争に送られる兵士たちの「訓練期間」を描いた本作は

 ベトナム戦争映画史上屈指の穏健さと変化球性を誇る作品であります。

 戦場で生き残るための訓練を行う場所が

 「知力・体力の限りを尽くした生存競争」の舞台と化していく光景を

 スポーツ映画・アクション映画・青春映画を融合させたかのような手法と

 「感動誘発的盛り上げ」を抑制したクールな精神で描くという試みは

 私に「ベトナム戦争末期のアメリカを覆う不信感&絶望感」と

 「反戦メッセージの一形態」に触れる機会をもたらしました。

 (政治的主張を最小限度にとどめ

 基地とその周辺のみを描くことに徹する事によって

 「過度のスケール拡大による物語の混乱」を避ける配慮が成されている点も見逃せません。)

 まさに「静かなる反戦&反軍映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 残酷なる死&殺戮を一切描くことなく「戦争の恐ろしさ」を写し出すことに挑んだ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。