映画に感謝を捧ぐ! 「八月の鯨」

  映画感謝人GHMです。

 今回はリンゼイ・アンダーソン監督の「八月の鯨」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 海沿いの家に暮らす姉妹の日常を描いた本作は

 非娯楽的な題材を見事に映画化した強豪作であります。

 派手な事件や社会派的メッセージに頼らず

 「ありふれた日常」を描くことに徹した

 信念のあるストーリー

 長きにわたってアメリカ映画界を支えた俳優・女優陣の「静かなる名演」

 技巧的な見せ方・スピード感のある映像表現を抑制し

 「そこにある風景」の魅力を引き出すことに追求した演出

 娯楽的盛り上げに背を向けた、品格と節度のある音楽が一体となる光景は

 私に「感動誘発的表現法」からは得られない純粋な感動と

 純文学的な味わいに触れる機会をもたらしました。

 

 本作こそ「癒し系人情劇」の究極形態と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 映画史上最大級の「穏やかさ」で進行していく物語&映像に心癒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。