映画に感謝を捧ぐ! 「ソルジャー・ボーイ」

映画感謝人GHMです。

 今回はリチャード・コンプトン監督の「ソルジャー・ボーイ」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 ベトナム戦争から帰還した兵士4人の運命を描いた本作は

 1970年代における「アメリカ社会の迷走」を象徴する

 陰性道中映画であります。

 複数のジャンルをさまよい歩くかのようなストーリー&演出

 純粋善も純粋悪もない人間的なキャラクター

 「社会の暗部」を体現するかのような気配を放つ映像

 場違いなまでに明る挿入曲が奇妙な形で混ざり合う光景は

 私に「ベトナム戦争」がアメリカ社会&映画界に与えた影響の大きさと

 精神的な形で「故郷を失う」事の恐怖を目の当たりにする機会を

 もたらしました。

 (西部劇風味のアクション・シーンとホラー風味のエンドロールが

 アメリカが掲げる「ポジティブな建前」に対する痛烈な皮肉を放っている点も

 見逃せません。)

 まさに「名作・駄作の枠を超えた価値を持つ」

 歴史遺産的作品であると言えるでしょう。

 アメリカ映画界における「ベトナム戦争後遺症映画」の幕を開いた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。