映画に感謝を捧ぐ! 「フェティッシュ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はレブ・ブラドック監督の「フェティッシュ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 殺人事件に対する好奇心から

 犯行現場の清掃人となった女性の運命を描いた本作は

 猟奇的な美とユーモアセンスを持った怪作であります。

 サスペンスとブラック・ユーモアが奇妙なバランスで混ざり合ったストーリー

 残酷な状況を喜劇的に表現する演出法

 (闇雲にスケール感を広げず「限定された空間でのやりとり」を

 重視している点も素晴らしいです。)

 南米的な明るさにあふれた色彩&音楽

 正気と狂気の間に立つかのようなヒロインが放つ

 エロティシズムと「殺人再現?ダンス」が一体となる光景は

 私に「他者の悲劇をエンターテインメント化する」人間の性と

 「犯罪劇とドタバタ喜劇はカードの表裏である」という事を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (映画的小ネタをさりげなく導入するサービス精神と

 あえて「悪の勝利」を感じさせる幕切れを選択するアウトロー精神も見逃せません。)

 まさに「猟奇サスペンス型ドタバタ・コメディ」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 アメリカ製の犯罪映画でありながら「銃&警官」を

 ほとんど登場させないという奇抜な発想と

 人間の心中に潜む「悪への憧れ」に着目する知性に驚かされる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。