映画に感謝を捧ぐ! 「13デイズ」
映画感謝人GHMです。
今回はロジャー・ドナルドソン監督の「13デイズ」に
感謝を捧げようと思います。
1962年に発生した「キューバ危機をもとにして
2000年に作られた本作は
「外交の舞台裏」を通じて平和と真実の関係に迫る実話系映画であります。
約13日にわたって展開された「戦いを回避するための闘い」を
「アメリカ政府&軍」の目線に徹する精神
2000年代的スタイリッシュさを抑制した堅実な映像
大作風味でありながらも節度のある音楽を駆使して映画化することによって
「真実がもたらす戦争の危機」と「欺きによって守られる平和」のありようを
世に示そうという試みは
私に「最短の解決法を求める空気に抗い、穏健な解決法を選ぶ」事の難しさ
「作品のスケール感&映像のスピード感」をコントロールすることによって
物語の破綻&娯楽的盛り上げによる現実感の喪失を最小限度にとどめる妙技
「国家間のパワーバランス」によって維持される平和の危うさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「現実社会にハリウッド流ハッピー・エンドは存在しない」事を暗示するかのような
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「会話のアクションと静かなるサスペンス」に満ちた実話系映画であると言えるでしょう。
エンターテインメント性よりもドキュメント性を重視した作劇法によって
世に広く知られた事実を「スリルとサスペンスに満ちた映画」にしようという難題に挑む大胆さと
アメリカ礼賛映画の手法を取りながらも「悪役」をほとんど登場させない繊細さを
兼ね備えたスタッフ・キャスト陣の姿に感動と驚きを禁じ得ない本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。