映画に感謝を捧ぐ! 「スリーデイズ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はポール・ハギス監督の「スリーデイズ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 2008年のフランス映画「すべて彼女のために」の

 再映画化作品となる本作は

 ドラマ派監督P・ハギス氏ならではの魅力を持った脱獄映画であります。

 「無実の罪で収監された妻を助ける」という勧善懲悪的な題材を

 状況&心情の変化をじっくりと見せていく演出法と

 不幸な境遇にある主人公を「共感しにくい人物」として描く

 過激なキャラクター造形によって

 「善良な人間が愛ゆえに悪に染められていく」物語へと

 

 変換させるという大胆不敵な試みは

 私に「正義と悪の類似性」と

 映画における「過程を丹念に描くことの重要性」について再認識する機会を

 もたらしました。

 (「妻が無実か否か」を容易に明かさない手法や

 ハッピー・エンドでありながら「正義の敗北」を感じさせる幕切れが

 作品の苦味と深みを高めている点も見逃せません。)

 まさに「娯楽映画の仮面を被った純文学映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 

 「登場人物を善悪の2種類で区分けする」ハリウッド的手法に

 抗うかのような空気と

 娯楽映画的スリルが奇妙なバランスで共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。