映画に感謝を捧ぐ! 「フェア・ゲーム(2010年版)」
映画感謝人GHMです。
今回はダグ・リーマン監督の「フェア・ゲーム(2010年版)」に
感謝を捧げようと思います。
2000年代に発生した「プレイムゲート事件」をもとにして作られた本作は
歴史の舞台裏をクール且つパワフルに描いた実話系映画であります。
イラク戦争の裏で展開される「情報戦」の行方を
スパイ活劇とドキュメンタリーを融合させたかのような映像表現&音楽を
駆使して描くという試みは
私に「政治的メッセージと娯楽映画的テクニック」の平和共存が
可能であることを示してくれました。
(絶妙のタイミングで「本物」を用いる戦略性や
「勧善懲悪」的であるにもかかわらず爽快感を微塵も感じない幕切れが
作品の説得力を高めている点も見逃せません。)
まさに「社会派スパイ映画」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。
「口当たりの良い真実」を欲する人間心理
己の正義を「多角的」に検証することの大切さ
「ゲーム&ビジネス感覚で戦争を行う」国家権力の有り様
2000年代のアメリカを覆う「暴走する自衛意識」を
エンターテインメント要素を保ちながら描く事に挑む
アメリカ映画界の潜在力と挑戦者精神を見せてくれた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。