映画に感謝を捧ぐ! 「ロンリーハート(2006年版)

 映画感謝人GHMです。

 今回はトッド・ロビンソン監督の「ロンリーハート(2006年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1940年代のアメリカで発生した「ロンリーハート事件」を

 もとにして作られた本作は

 大衆娯楽要素と皮肉に彩られた実話系犯罪映画であります。

 「女性に魂を支配される」という共通点を持つ

 刑事と詐欺師の奇妙な対決を

 娯楽映画的エロティシズム&暴力描写を駆使して描くという試みは

 私に「男性の精神的弱さ」・「女性の精神的強さ&繊細さ」

 「人の不幸を娯楽化してしまう」エンターテイナーの宿命に

 思いをはせる時間をもたらしました。

 (正義の勝利を示しながらも「正義の空しさ」を感じさせる終幕が

 作品に文学性を与えている点も見逃せません。)

 まさに、鑑賞者の心中に潜む「猟奇的&覗き見的欲求」を刺激しつつ

 男女関係の一端を写し出した作品であると言えるでしょう。

 終わりなき闘いと「人間社会の闇」をのぞき見る日々に

 心身を蝕まれていく正義と

 

 衝動の赴くままに突き進みながらも「愛」を求める悪の姿が

 

 勧善懲悪劇とは異なる気配を放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。