映画に感謝を捧ぐ! 「ミッドナイトチェイス」
映画感謝人GHMです。
今回はディエデリック・ファン・ローイェン監督の「ミッドナイトチェイス」に
感謝を捧げようと思います。
外国旅行中に殺人事件を目撃した夫婦の
運命を描いた本作は
娯楽映画の王道が奇妙なバランスで融合した作品であります。
崩壊した夫婦関係が「命の危険」によって修復されていくという着想
観光旅行にありがちな行為が「アクション映画的トラブル」を
引き起こすという構図
言葉によるコミュニケーションを極限まで抑制することによって
スペインを「異世界」の如く写し出す大胆不敵さが一体となる光景は
私に「外国旅行の注意点」・「男女の心理的断絶」・「危機的状況の癒し効果」を
説教臭を感じさせることなく簡潔に表現する妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(自然な形で挿入された「疑似実録映画」的手法や
感動を声高に強調しないクールな幕切れが
奇妙な現実感を与えている点も見逃せません。)
まさに「陰性観光旅行映画」の歴史における
静かなる強豪作であると言えるでしょう。
情緒&ロマンスを強調することによる「感動狙い」に依存しない
スリムな作劇法が心地良い本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。