映画に感謝を捧ぐ! 「ブロードウェイのダニー・ローズ」

 映画感謝人GHMです。

 今回はウディ・アレン監督・主演の「ブロードウェイのダニー・ローズ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 不遇の芸人達のために奮闘するマネージャー「ダニー・ローズ」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 「喜劇における哀愁&情の大切さ」と「人生を明るくする要素」を体現した

 偉大なる舞台裏映画であります。

 優しさと欲の無さゆえに「栄光」とは無縁でありながらも

 多くの芸人に愛されたマネージャーの日常を

 いかなる状況にあっても「ユーモア」を失わない精神

 芸道の世界に対する愛情&クールな目線・スピーディー且つ知的な会話のアクション

 滑らかでありながらも情緒を失わない映像技・白黒映像による懐古的ムードの生成

 品格と親しみやすさを兼ね備えた音楽を駆使して描くという試みは

 私に、「不幸の強調による感動誘発」からは得られないポジティブな感動

 アメリカ芸能界の一端をのぞき見る楽しさ・「富裕層&権力者」とは異なる成功者の形に

 触れる機会をもたらしました。

 (いつもよりも「二枚目風」なW・アレン氏の勇姿や

 王道的ハッピー・エンドでありながら現実感のある幕切れが

 作品の味わい&余韻を高めている点も見逃せません。)

 まさに「人情派裏方伝」&「西洋流落語」の最高位に位置する作品であると言えるでしょう。

 落語的な物語でありながらも

 実話系映画に勝るとも劣らぬ説得力と

 ショービジネスの裏側を支える「縁の下の力持ち」を選択した

 人々への愛と尊敬に満ちた本作と

 

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。