映画に感謝を捧ぐ! 「ミス・ウォンテッド 美しき女怪盗の罠」

 映画感謝人GHMです。

 今回はジョナサン・デュエック監督の「ミス・ウォンテッド 美しき女怪盗の罠」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 1枚の絵画をめぐる攻防を描いた本作は

 他の泥棒映画とは異なるスリルと驚きに満ちた作品であります。

 泥棒映画でありながら

 物語の大半が「会話」によって形成されるという大胆な手法

 淡々と処理される「登場人物の死」

 深読み誘発のために挿入される「回想場面」

 巧みに抽象化された残酷場面

 ホラ吹き感あふれる邦題が一体となる光景は

  

 私に映画に潜む「詐欺師性」の1形態と

 「穏健な外見に凶悪な本性を宿す」映画の恐ろしさを目の当たりにする機会をもたらしました。

 (主演女優G・ガーションの「エロテックな魅力」を過度に強調している点と

 映画史上最大級の「強引にして曖昧なハッピー・エンド」が

 作品の凶悪性を高めている点も見逃せません。)

 まさに「静かなる残虐性&出たとこ勝負性にあふれた」

 泥棒映画界の珍品と呼ばざるを得ない

 作品であると言えるでしょう。

 アクション映画を遥かに凌ぐほどの人命軽視と

 ホラー映画に勝るとも劣らぬほどの理不尽さを持ちながら

 穏やかに進行していく状況に戦慄を禁じ得ない本作は 

 

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。