映画に感謝を捧ぐ! 「ダーク・インフェルノ」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はジェイムズ・キーチ監督の「ダーク・インフェルノ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 停電によってショッピング・モールに閉じこめられた

 親子の運命を描いた本作は

 「巻き込まれサスペンス」の定番要素と

 災害映&教訓劇が融合することによって生を受けた作品であります。

 パニック・ムービー風味溢れる幕開けから

 ホームドラマを経由して異常心理サスペンスへと向かうという

 大胆不敵な試みは

 私に「都会生活に潜む潜在的恐怖」・「闇が人間心理に与える影響」

 「善行を行うことの難しさ」・「家族愛の暗黒面」を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (脳天気なハッピー・エンドの仮面を纏いながら

 「勝てば官軍」精神を皮肉るかのような

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「家族劇入り災害サスペンス」と呼びたくなる珍品であると言えるでしょう。

 1993年の映画「フォーリング・ダウン」を思わせるような敵役と

 映像的インパクトに依存することなく「災害」を描く精神が

 現代社会の病理をえぐり出す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。